ロードバイクにおいて進む/止まるといった駆動部分を担うパーツでもある「コンポーネント」。
日本のSHIMANOなど、さまざまなメーカーがコンポーネントを作っていますが、各パーツにはそれぞれグレードが存在します。
グレードが上がるほど性能が高いパーツになるため、ロードバイクをよりハイスペックにするためコンポのグレードアップをするのは非常におすすめです。
そこで今回はロードバイクのコンポのグレードアップについて解説していきます。
1.SHIMANOコンポのグレードを紹介
ほとんどの方が使っている日本のSHIMANO製コンポのグレードを見ていきましょう。
SHIMANOコンポのグレード
- Dura-Ace(11s)上位グレード
- Ultegra(11s)上位グレード
- 105(11s)中位グレード
- Tiagra(10s)中位グレード
- SORA(9s)エントリーグレード
- Claris(8s)エントリーグレード
コンポ名の横に書かれた11sや10sというのは、変速の段数を表しています。
11sであればリアの変速が11段あるという意味で、フロント変速の2段と掛け合わせると2×11=22段階の変速が可能です。
グレードごとの簡単な見方としては、上位グレードが「Dura-Ace」「Ultegra」、中位グレードが「105」「Tiagura」、エントリグレードが「SORA」「Claris」となっています。
価格も幅広くなっており、エントリーグレードのClarisであればセットで4万円程度なのですが、最上位グレードのDura-Aceだとセットで20万円程度します。
2.コンポをグレードアップするメリットは?
コンポをグレードアップするメリットについて解説していきます。
ただ新しいパーツと交換するというだけでなく、グレードを上げることで得られる効果を詳しく見ていきましょう。
①レスポンスが良くなる
コンポのグレードアップによってギアチェンジやブレーキングのレスポンスが向上します。
シフトレバーの操作感が軽くなり、操作からギアが切り替わるまでのタイムラグが少なくなります。
エントリーグレードだとギアチェンジで「ガチャ」といった音がするのですが、105以上になってくると「チッ」といった具合に快適な操作感が得られます。
ブレーキに関しても握りが軽くなることで、より安定した制動が可能になります。
②軽量化+耐久性アップ
上位グレードのコンポほど軽くなっているため、ロードバイク全体の軽量化に繋がります。
さらに、軽いだけでなく上位グレードほど耐久性も向上しているため、ロングライドやレースなどでガンガン走る人にも向いています。
安いコンポの方がコスパが高いと思われがちではありますが、ガンガン走る人にとってはDura-Aceのような最上位グレードの方が長く使えるためコスパも高くなるでしょう。
3.コンポをグレードアップする際のポイントは?
コンポをグレードアップする際は、ただパーツを買って交換すればいいというわけではありません。
いくつかのポイントを抑えておかないと、グレードアップしたのにあまり効果が得られない可能性があります。
①目的に応じたグレードを選択する
コンポのグレードは目的に合わせてチョイスする必要があります。
例えば、日常生活の移動でロードバイクに乗っている人に、105以上のコンポは必要ありません。
グレードの高いコンポを取り付けても、性能を活かすような走り方はできませんし、むしろ盗まれやすくなるなどデメリットが目立ってしまいます。
Dura-AceやUltagraといった上位グレードは、ガンガン走る方や毎週のように長距離を走る方、レースに出場する方など、上級者向けのコンポと言えるでしょう。
定期的な運動として楽しくサイクリングをするような方であれば、105程度のグレードアップがおすすめです。
②部分的にグレードアップするなら互換性をチェック
ロードバイクのコンポは、全てのパーツを交換するだけでなく、部分的に交換してグレードアップすることもできます。
ただし、部分的なグレードアップをする際は、パーツごとの互換性をチェックしてください。
特に重要なのが「変速の段数を揃える」ことです。
例えば、SORA(9s)で組んであるロードバイクに、105(11s)のリアディレイラーを取り付けることはできません。
キャリパーブレーキであれば段数は関係ないので自由にグレードアップが可能ですが、チェーンやディレイラー、スプロケット、STIレバーなど変速周りについては段数を揃えるようにしてください。
③フレームの規格に合ったパーツを選択する
コンポを選ぶ際はフレームの規格に合ったパーツを選ばなければなりません。
例えば、BBにも「ねじ切り」「プレスフィット」といった種類がありますし、「ねじ切り」タイプにも「カートリッジ」「ホローテックⅡ」といった規格が存在します。
フロントディレイラーにも取り付け方法に「バンド」「直付け」の2種類があります。
フレームの規格に合わないパーツは取り付けることができないので、今お使いのパーツの規格を必ずチェックしておきましょう。
4.おすすめのコンポグレードアップ例
ここからはおすすめのコンポグレードアップを紹介していきます。
さまざまなパターンが考えられますが、その中でもおすすめのグレードアップ例を見ていきましょう。
①SORA/Tiagra→フル105化
SORAやTiagraといった中下位のグレードでサイクリングを楽しんでいる方は、思い切って全てのコンポを105にするのがおすすめです。
105であれば6万円程度でパーツは手に入りますし、工賃込みでも10万円以内で済みます。
変速の段数も11速に増えますし、使い心地や性能も格段に向上するので、今までにない走りを体感することができるでしょう。
105については下記の記事で詳しく書いていますのでこちらも参考にしてみてください!
SHIMANOのコンポ「105」ってどうなの?ロードバイク初心者にもおすすめ?②105→105/Ultegraミックス
105のコンポをお使いの方はUltegraのパーツを購入して、部分的にグレードアップするのもおすすめです。
Ultegraをセットで買うと10万円近くかかってしまいますが、バラで購入すればそこまで費用はかかりません。
クランクやスプロケット、チェーンなど組み合わせの幅も広いですし、部分できにグレードアップするだけでも効果を実感できるでしょう。
③Ultegra→Ultegra Di2化
コンポーネントを電動化するというのも非常におすすめです。
電動コンポを使うと変速が簡単な上にレバーもコンパクトになるので、手の小さい方でも扱いやすいというメリットがあります。
ワイヤーの調整といった手間も省けるでしょう。
機械式のUltegraを電動化するには流用できるパーツとできないパーツがあります。
ブレーキキャリパーやスプロケット、クランクについては流用が可能ですが、それ以外については電動コンポの専用パーツを購入します。
電動コンポーネントについてはこちらに詳しく書いていますので参考にしてみてください。
ロードバイクの電動コンポのメリット・デメリットを解説!種類や費用は?5.まとめ
ロードバイクのコンポのグレードアップについて解説していきました。
寿命を迎えたコンポがあって交換の必要がある場合には、ぜひグレードアップしてより高い性能を手に入れてみてください。
コンポをグレードアップすると、より快適で性能の高いロードバイクに仕上げることができます。
用途や目的に応じて自分に合ったコンポーネントを選んでみましょう。