ロードバイクに乗る中で「お尻が痛い」と思っている方は多いはずです。
「乗り続ければ慣れる」という考え方もありますが、サドルが合っていないと、いつまで経っても痛みは解消されません。
自分の体格やスタイルに合わせたサドルを選ぶことで、快適な走りを手に入れることができるでしょう。
そこで今回は自分に合うサドルの選び方やサドルの交換方法について解説していきます。
1.お尻が痛いのは「サドル」が合っていないから?
ロードバイクはそもそもが普通の自転車よりも前傾姿勢をとって走るような設計になっているため、初心者の方だとお尻が痛くなるケースが多いです。
さらに、ママチャリとロードバイクのサドルは形状が全く異なり、ロードバイク用の細くて硬いサドルに身体が慣れるのに時間がかかってしまいます。
初心者の方であれば、ある程度慣れることでお尻の痛みは軽減されますが、乗り続けているのに全然慣れないという場合は、サドルが合っていない可能性があります。
もちろん乗車姿勢やサドルやペダルへの体重の分散といった要素も関係あるのですが、身体に設置する部分のフィーリングも重要になるでしょう。
ロードバイクに乗り続けて、ポジションなども工夫しているのにお尻が痛いという場合には、サドルを交換してみるというのも有効な選択肢の1つです。
おすすめのサドルを以下で紹介しているのでこちらも参考にしてみてください。
【最新】ロードバイクのサドルおすすめ17選を用途別に紹介【迷ったらコレにしとけ!選び方も解説】2.サドルの交換はとっても簡単!
サドル交換は初心者の方でも簡単に行えます。
基本的に使用する工具は「六角レンチ」のみで済みます。
サドル交換に必要な工具は六角レンチ
作業手順としては、まず最初にサドルを固定しているボルトを六角レンチを使って緩めます。
サドルレールを挟んでいるやぐらを緩めたら、サドルを外すことができます。
新しいサドルを用意して、やぐらの上にサドルを乗せたら、サドルレールを上下で挟んでボルトで留めれば作業完了です。
ボルトで留める際は、まず最初に仮止めを行い、前後位置や角度などを調整してから固定を行っていきます。
ちなみにサドルの角度を調整するのに「水平器」があると便利です。
サドルの角度を測るのにあると便利な水平器
また、カーボン製のサドルに交換する場合、強く締めすぎるとサドルレールが割れてしまう可能性があるので、トルクレンチを使って指定のトルクで締めるようにしてください。
カーボン製のサドルはトルクレンチを使いましょう
3.自分に合うサドルの選び方
自分の身体やスタイルに合うサドルを選ぶためには、サドルの種類を把握しなければなりません。
ロードバイクのサドルは、横幅や形状などさまざまな面が異なり、特性によって合う人・合わない人が決まってきます。
まずは、サドルの種類を見ていきながら、自分に合うタイプはどれかを見つけてみてください。
①横幅
サドルの横幅 | 広い | 狭い |
体重 | 体重が重い人向け | 体重の軽い人向け |
骨盤 | 骨盤が広い人向け | 骨盤が狭い人向け |
サドルの横幅については大きく分けで「広い」「狭い」の2種類に分けられます。
幅広のサドルは、体重が重たく、骨盤の広い人がお尻の荷重を安定させるのに向いており、幅狭のものはその逆です。
体重や骨盤の広さを測って、自分がどちらのタイプなのか調べてみるといいでしょう。
②座面の反り(前後)
座面の形状 | 前後に沿っている | 前後にフラット |
体の柔軟性 | 体の硬い人向け | 体の柔らかい人向け |
ロードバイクのサドルを横から見ると、前後方向に「反っているもの」「フラットなもの」の2種類があることに気がつくはずです。
座面が前後に反っていると、身体を無理に曲げなくても楽に前傾姿勢を取ることができるため、身体の硬い人に向いています。
身体が柔らかい人なら骨盤を立てたまま前傾を取ることができるので、座面がフラットなサドルでも対応ができます。
③座面の丸み(左右)
座面の形状 | 左右に丸みがある | 左右にフラット |
腰の位置 | 安定しやすい | 腰の位置を変えやすい |
サドルの左右に丸みがあるかどうかによっても特性が異なります。
左右に丸みがあるとと腰の位置が安定するので、しっかりと走りたい方に向いています。
フラットの場合、腰の位置を動かす自由度が高くなるので、ロングライドを楽しむ方におすすめです。
④穴あき
穴の有無 | 穴あき | 穴なし |
効果 | 股間部分の痛みを緩和する | – |
サドルの中央部分に穴が空いていると尿道などの股間周りの負担を軽減することができます。
ただ、それ以外の部分の負担を増やすことにも繋がるので、合う合わないは慎重に判断した方がいいでしょう。
⑤パッドの厚み
パッドの厚み | 厚い | 薄い |
負担 | 軽い | 高い |
ペダリング | 安定しにくい | 安定する |
サドルのパッドはお尻の痛みと深く関係する要素でもあります。
お尻が痛いとついついパッドの厚いものにしたくなりますが、クッション性が高いとペダリングが不安定になってしまい、お尻も上下にブレてしまうので逆に痛くなってしまう可能性があります。
もちろん硬すぎてもお尻の痛みは生じてしまいます。
今使っているサドルの硬さを基準に、自分に合う適切な硬さのサドルを選んでみてください。
⑥素材
素材 | カーボン | アルミ |
特徴 | 軽い、デリケート | 安い、扱いが楽 |
サドルレールの素材によっても分類することができます。
カーボンが使われている場合、軽量化というメリットが得られるものの、固定部分のトルク管理が厳しくなるので扱いがデリケートになります。
価格も高額になってくるので、余程の理由がない限りはアルミ製のサドルレールなどを使った方がいいでしょう。
4.主要なサドルメーカーを紹介
ここからは主要なサドルメーカーをご紹介していきます。
どのメーカーがおすすめかは乗り手の体格やスタイルによって異なるので、ここで紹介するメーカーのサドルを調べていきながら、自分に合うものを見つけてみてください。
①Fi’zi:k(フィジーク)
Fi’zi:k(フィジーク)は、イタリアのサドルブランドで、ハイエンドなモデルを多数ラインナップしています。
プロのレーサーにも愛用される完成度の高さや幅広いラインナップが魅力です。
レース向けに特化したサドルもあれば、エンデュランス向けに快適性を追求したものまであるので、自分に合うサドルが見つけやすいでしょう。
②SELLE ITALIA(セラ イタリア)
SELLE ITALIA(セラ イタリア)は、100年以上の歴史を持つ老舗のサドルブランドです。
現在では主流になっているサドルの設計を先駆けて行ってきたメーカーでもあり、独自のフィッティング・システムを採用しているので、自分に合うものが見つけやすいのおも特徴的です。
③Prologo(プロロゴ)
Prologo(プロロゴ)は、イタリアのサドルメーカーで、骨盤の幅や角度を計測して行うフィッティング・システムが特徴となっています。
サドルラインナップも幅広く、ハイエンドな商品から完成車に付いているようなモデルまであります。
サドルの丸みや前後の形状だけでも種類が豊富なので、細かく選べるのが魅力です。
④Specialized(スペシャライズド)
ロードバイクブランドとしてお馴染みの「Specialized(スペシャライズド)」では、「パワーサドル」と呼ばれる独自商品が人気を集めています。
穴あきサドルが多いのが特徴で、ハイエンドの商品や軽量性に特化したもの、女性用サド
ルのラインナップが豊富なのも威力です。
⑤SELLA SANMARCO(セラ サンマルコ)
SELLA SANMARCO(セラ サンマルコ)は、1935年から続く老舗のサドルブランドで、長い歴史がありながらも最新の研究を商品に取り入れる先進性が評価されています。
乗り手のさまざまな要素から適切なサドルを見つけるフィッティング・システムを採用しており、多彩なラインナップから自分に合ったものを選ぶことができます。
5.まとめ
ロードバイクのお尻の痛みはサドルを交換するだけで解決するようなシンプルな問題ではありませんが、自分に合わないサドルを使っているとお尻が痛くなりやすくなります。
サドルの種類を把握して、自分の体格やスタイルに合ったものと交換するだけでも、サイクリングの快適さが変わってくるはずです。
今使っているサドルに不満がある人は、この記事を参考に自分に合ったサドルを選んでみてください。