ロードバイクに乗り慣れてくると、サイクリングを楽しむだけでなく、イベントやレースへの出場もしてみたくなりますよね。
しかし、「いきなりレース」というのもハードルが高く感じてしまうかもしれません。
そこで初心者の方でも気軽に出場できるのが「ヒルクライムレース」です。
ロングライドや平坦メインのレースなどよりも安全に走れますし、モチベーションアップにも繋がります。
今回はそんなヒルクライムレースについて、初心者におすすめな理由を解説していきます。
1.ロードバイクに乗り慣れてきたらレースに出場してみよう!
ロードバイクに乗り始めて1年ぐらいが経過すると、ただサイクリングを楽しむだけでなく、レースで自分の腕試しがしたくなってきますよね。
しかし、初めてのレースでいきなりガツガツした集団で走行するのは非常に危険です。
ロードバイクは落車によって重大な怪我を引き起こすケースも多々あるので、初めて出場するのであれば、より安全なレースを選んだ方がいいでしょう。
そこでおすすめなのがヒルクライムレースです。
「上り坂はちょっと…」と思われるかもしれませんが、ヒルクライムレースは初心者でも気軽に参加できる理由がたくさんあります。
では、どのような点が初心者におすすめなのか詳しくみていきましょう。
2.初めてのレースにヒルクライムがおすすめな理由は?
ヒルクライムレースが初めての方におすすめな理由は以下の4点です。
- スピードが遅いので比較的安全
- 順位ではなくタイムを目標に走れる
- マイペースで走れる
- 距離が短い
では、それぞれの理由について詳しくみていきましょう。
①スピードが遅いので比較的安全
平坦路を走るレースやイベントだと、時速30~40kmといったスピードが中心となります。
空気抵抗を軽減するために隊列を組んだり、集団で走ったりすることもあるため、落車のリスクは高くなるでしょう。
一方、ヒルクライムレースのスピードは時速10~15km程度とかなり遅いです。
これぐらいのスピードであれば、咄嗟の事態が生じても反応して落車を防ぐことができますし、周囲の安全も把握しやすくなるはずです。
ダウンヒル中のコーナーなど危険なシーンもないので、怪我の心配はほぼないと言えるでしょう。
②順位ではなくタイムを目標に走れる
通常のロードバイクレースだと基本的に順位を目標に走ることが多くなるはずです。
しかし、ヒルクライムレースの場合、毎年同じコースが設定されていることが多いので、順位ではなくタイムを目標にして参加することができます。
トップ選手でもない限り、順位を気にする人はいませんし、毎年参加を続ける中で自分のタイムを縮めていくことが目標となります。
他の選手と競う必要がないので、同時に安全性にも繋がりますし、順位が上がらなくてもタイムが更新されれば達成感が得られます。
③マイペースで走れる
平坦路を走るレースだと集団のスピードに合わせて走る必要が出てきます。
ヒルクライムレースではスピードが遅く、空気抵抗による影響もないため集団で走るメリットはなく、したがってマイペースで走る選手がほとんどです。
集団ではなくバラバラな状態で走るようになるため、他の選手との距離が近くてストレスになることもありません。
ヒルクライムはいかに一定のペースで最後まで走れるかが重要になります。
他の選手と競うのではなく、あくまで自分に目を向けて走れるというのが良いですね。
④距離が短い
ヒルクライムレースは基本的に10~30kmといった短距離のコースが設定されています。
小規模のイベントであれば10km以下のコースが用意されていることもあるため、より短い時間で完走できます。
もちろんヒルクライムなので、スピードは落ちてその分走行時間は長くなりますが、ロングライドイベントよりは完走のハードルは低いでしょう。
レースごとの走行距離や平均勾配を調べた上で自分に合うヒルクライムレースを選んでみてください。
3.ヒルクライムレースに出場する際の注意点
ヒルクライムレースに出場する際は以下の点に注意してください。
- 帰りの下り道は自走する
- 防寒着を用意しておいた方がいい
- 補給食を忘れずに携帯する
- ロードバイクのメンテナンスを忘れずに
- ウォーミングアップを行う
- 他の選手の邪魔にならないようにする
それでは、それぞれの注意点を詳しくみていきましょう。
①帰りの下り道は自走する
ヒルクライムでゴールした後は上ってきた道をロードバイクで下って帰る必要があります。
下り道はスピードが出やすいですし、ヒルクライムで疲労困憊になっていると事故が起きやすくなるので注意してください。
レース後の帰り道はできるだけ慎重に走り、安全に帰宅することを目指しましょう。
②防寒着を用意しておいた方がいい
レース後の帰り道はダウンヒルになるので、防寒着を用意した方がいいでしょう。
夏場の気温が高い時期であっても、山の上などは気温が低くなります。
ダウンヒルで身体が冷えると風邪を引く可能性もあります。
ヒルクライムレースでは、レース前に山頂まで物を運んでくれるトラックが用意されているケースがあるので、防寒着などを忘れずに預けておきましょう。
③補給食を忘れずに携帯する
ヒルクライムレースは距離こそ短いものの、負荷が大きくなるため消耗するエネルギーも大きくなります。
レース途中でエネルギー切れを起こすとハンガーノックになってしまい、走行自体が難しくなるでしょう。
なので、レースに参加する際は必ず補給食を用意しておいてください。
理想としてはレースで消費するエネルギー量を想定して、必要な分だけ携帯するのがいいでしょう。
④ロードバイクのメンテナンスを忘れずに
レースに出場する以上、前日やスタート直前のメンテナンスは忘れずに行ってください。
タイヤの空気圧やブレーキのチェック、各パーツが緩んでいないかなどを確認しましょう。
不安な場合は自転車店に点検を依頼するのもおすすめです。
ロードバイクを良い状態に仕立てた上で、良いパフォーマンスを発揮できるようにしてください。
⑤ウォーミングアップを行う
ウォーミングアップをせずにいきなりヒルクライムを走ると、体力が持ちません。
なので、レース前のウォーミングアップを必ず行ってください。
ただ、レース会場付近は混雑するため、思うように走れる場所が確保しにくいです。
このようなケースに備えて固定ローラーを持参しておくと便利でしょう。
また、レース会場までを自走してウォーミングアップ代わりにするというのもおすすめです。
⑥他の選手の邪魔にならないようにする
ヒルクライムレースはマイペースで走ることが多いですが、その際には他の選手の邪魔にならないようにしてください。
基本はキープレフトで追い抜く選手の走路を空ける必要がありますし、疲れて蛇行するような運転は周囲に迷惑をかけてしまいます。
自分の走りに集中しながらも、常に周囲の状況を把握する意識が必要です。
4.おすすめのヒルクライムレースを紹介
ここからはおすすめのヒルクライムレースを紹介していきます。
最初は家の近くで開催されているレースが一番良いのですが、慣れてきたら全国的にも有名なヒルクライムレースにチャレンジしてみてください。
①Mt.富士ヒルクライム
日本最大規模のヒルクライムレースとして知られる「Mt.富士ヒルクライム」。
毎年約10,000人ものサイクリストが腕試しに訪れます。富士スカイラインの25kmのコースを走るレースで、ハードルが高そうに思えるかもしれませんが、平均完走率は99%と非常に高いので初心者でも安心です。
また、完走タイムに応じて色が違う記念のコラムスペーサーがもらえます。一番上のプラチナカラー(60分未満)は1万人近くの出場者の中からたった22人(2019年)しか達成できていない。という狭き門です。
Mt.富士ヒルクライムは自分も何度も参加していて関連する記事も色々と書いていますので参考にしてみてください。
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「マウンテンサイクリングin乗鞍」も毎年4000人を集める大規模なヒルクライムレースです。
舗装路として日本最高地点となる乗鞍(2720m)を目指してひたすら駆け上がっていくレースとなっています。
レース中の景色も綺麗ですし、完走できたときの達成感も得られます。
③榛名山ヒルクライム
「榛名山ヒルクライム」は通称「ハルサン」の愛称で有名なヒルクライムレースです。
体力に合わせた3つのコースが用意されているので、初心者の方でも気軽に楽しめるのが特徴です。
平均勾配もそこまで厳しくないので、腕試しにちょうど良いレースといえます。
5.まとめ
初心者におすすめなヒルクライムレースについて解説していきました。
安全で参加しやすいレースとしてヒルクライムはぴったりなので、ロードバイクに乗り慣れてきて、腕試しがしたくなった人はぜひ参加してみてください。