ロードバイクのトレーニングには色々な方法がありますが自分がやってみて良かったおすすめのメニューを紹介します。
LSD走
LSD走は初心者~上級者までおすすめのトレーニングメニューです。
メリットはなんといっても強度が低く楽にできること。
ただしかなり長時間かつ長期間行わないと効果が得にくいので簡単なメニューというわけではないです。
自分は冬のシーズンオフの最初の数週間をLSDレベルで走って次で紹介するテンポ走へ移行してます。
自分としてはテンポ走が一番のオススメなのですがまずはLSDから入って徐々に強度を上げていくほうが長続きしやすいと思います。
LSD走で期待できる効果
- 心肺機能とエネルギーの代謝効率のアップ
- ロードバイクでの基礎持久力が向上する
- ハードなトレーニングを行うためのベースができる
- ハードなトレーニング後の疲労回復効果やコンディション調整
- 長時間の有酸素運動となるため体脂肪が減少しやすい
- 長時間走ることでフォームやペダリングなどが洗練される
LSD走のやり方
- 楽に会話ができる程度の強度でなるべく長く走りましょう。
- 心拍計があれば最大心拍数の60%~70%程度で選手レベルなら75%程度がLSD走の範囲。
- パワーメーターが付いている場合はFTPの56~75%程度。
- 初心者は30分ほどから始めて3時間くらいまで時間を伸ばしていきましょう。
- 中級~選手レベルは最低3時間は走ったほうが良く、確実に効果を出すためには1回で6~8時間程度は乗ることがおすすめと言われています。
- 長ければ長いほど効果が高くなるので時間の許す限り乗ること。
- 頻度は毎日行うのがベストで最低でも週に3回は行わなければ効果は薄いとされています。週末にたまに100km程度走るLSDモドキはただの自己満足で終わってしまう可能性があるので徹底して継続することが大事です。
- トレーニングを始めたばかりの初心者はまずLSD走から始めたほうが良いです。なぜならいきなりハードなトレーニングをやろうとしても基礎持久力や回復力が足りないためハードなトレーニングの効果を最大限得られないので中途半端に辛いだけというパターンになったり無理にがんばって怪我をしやすいです。
- 中級者や選手レベルでも同様の理由でいきなりハードなトレーニングをせずにレースシーズンの前(冬など)にLSD走は行ったほうが良いと思います。
LSD走のポイント
- 最初から最後まで一定のペース(強度)で走りペースを上げたり下げたりしないこと。
- 休憩もなるべく入れないほうが良いです。(ハンガーノックなどにならないよう補給しながら走りましょう)
- 距離を指標とせず時間を指標とすること。とにかく乗った時間が重要です。
テンポ走
テンポ走はLSDと同じく有酸素運動能力ですがLSDよりもグッと強度が上がります。
LSDもおすすめですがトレーニングを始めて2年目、3年目のような中級者や上級者にはこのテンポ走がかなりオススメです。基礎持久力などの能力強化に効果がかなりあると思います。
自分は1月~3月くらいまではもっぱらこのテンポ走です。
2~3ヶ月続けると同じ距離でもどんどん速く楽に走れるようになってくるので楽しいですよ。
LSDやテンポ走などのトレーニングの効果はこちらにも書いてますので参考にしてみてください。
冬場のベーストレーニング(LSD〜L3)でFTPが20W向上 練習仲間にLSD勧めたらめっちゃ速くなってたテンポ走で期待できる効果
- 心肺機能の向上
- 筋持久力の向上
- FTPの向上
- 回復力の向上
- レースやロングライドで後半の粘りが効くようになり垂れずに走り続けれるようになる
テンポ走のやり方
- 会話がギリギリできる程度の強度でなるべく長く走りましょう。
- 心拍ベースだと最大心拍数の75%~85%、パワーメーターの場合はFTPの76%~90%。
- 時間は1時間~5時間くらい。
- 最初は1時間でも結構きついはずです。3時間もやれば走り終わる頃には会話ができる余裕は無くなり脚がパンパンで疲労困憊になります。5時間もできるようになれば持久力やFTPが底上げされているはずでかなり強くなっていると思います。
- 毎日、、は厳しいと思います。プロレベルだと毎日やるみたいですが。
- ホビーレーサーは平日に2〜3日で1時間ほど行い週末など休みの日に3〜5時間みっちり走るのがオススメです。
テンポ走のポイント
- LSDと同じくなるべく最初から一定のペースで上げ下げなく走ること
- なるべく休憩はせずに走ること。自分は3〜4時間くらい走りますが休憩は一切なしです。
- 少しづつ強度を上げていくのがおすすめです。
メディオ、SST
LSDやテンポ走を3ヶ月ほど続けてしっかりとベースを付けたらかなり走れてる実感があるはずですがここからさらに取り入れたほうがよいおすすめメニューがメディオやSSTと呼ばれるメニューです。
これをやるとFTPや持久力をさらに押し上げてもっと高い負荷に耐えれるようになります。
特にヒルクライムなど高い負荷がずっと続くようなレースには有効だと思います。
トレーニングの負荷も高すぎないのでキツ過ぎて続かないという事を避けれます。
トレーニングは継続が一番重要ですから続かなければ意味がないです。
また、次で紹介するL5やソリア、VO2maxと呼ばれる負荷の高いメニューは調子を一気に上げやすいというメリットがあるのですが調子がずっと上がり続けるという事はなくどうしてもピークがあります。
自分はそのピークが重要なレースの前に来てしまって本番のレースでは調子が落ちてしまうという事がよくありました。
メディオ、SSTはそのピークを避けながら底上げがしやすいというメリットもあります。
メディオ、SSTで期待できる効果
- FTPや持久力などのさらなる押し上げ、向上
- ヒルクライムなど高い負荷に長時間耐えれるようになる
- 調子のピークが早く来すぎないようにしつつ底上げできる
メディオ、SSTのやり方
- 心拍数ベースの場合は最大心拍数の80〜85%、パワーメーターの場合はFTPの88〜93%で30分〜1時間走ります。
- おすすめは30分走って5〜10分休んでもう一度30分走るという30分x2セットのインターバルです。最初は15分x2くらいから始めて段階的に30分x2まで伸ばしていくと良いでしょう。
- 週に2~3回ほど行い、6〜8週間ほど取り組むと良いでしょう。
- メインのレースに合わせて2〜3ヶ月くらい前から開始するのが丁度よいかなと思います。自分は富士ヒルの6月をメインとしているので3月〜4月頃からこのメニューをやってます。
LT走(インターバルがおすすめ)
メディオ、SSTを続けているとだんだんと同じ強度でも楽にできるようになってきます。
持久力やFTPが底上げされている証拠でここからさらに天井のピークを上げていきます。
自分は「ピークを尖らせていく」と言ったりしてます。
ピークを尖らせていくにはメディオ、SSTよりもさらに強度が高いLT走、特にインターバルがおすすめです。
このレベルになってくるとかなりキツイのでメンタルも鍛えなくてはいけません。いわゆる「気合い」が必要です。
筋疲労も伴ってくるので回復日も挟みながら行うのがおすすめです。
LT走のやり方
- 心拍数ベースの場合は最大心拍数の85~90%、パワーメーターの場合は91~105%で走ります。
- 10分(最後の2~3分は少し強度を上げると良い)走り、5分休憩。を3~5セット行う。
- やりすぎると筋疲労で強度を保てなくなるので間に休息日を入れながら行うのがおすすめです。
- 週に2回ほど行い、1~2ヶ月くらい取り組むと良いでしょう。
ソリア、L5、VO2max(インターバルがおすすめ)
LT走までこなしていくとかなり走れる身体に変わっていると思います。
この状態でも十分走れると思いますがまだ少し弱点があります。
レースに出たら分かりますが完走目的を除けば一定のペースで走ることはほぼありません。
同じペースで走りそうなイメージのヒルクライムでも上位を狙おうとすると自分のペースで一定に走るということはなかなか難しいです。
テンポ走やLT宗だけしかやっていないとこの上げ下げに非常に弱いです。
一定ペースならずっと走れるのに自分の限界を超えた強度で数分走った途端脚が終わってしまって垂れてしまう。という事が起きます。
限界を超えた強度で走ると一気に乳酸が溜まるのですがソリア、L5、VO2maxと呼ばれるメニューをこなしておくとこの乳酸を除去する能力が高まるのでレース中の上げ下げに対して非常に強くなります。
またキツイ練習を事前にしておくことにより「慣れる」というのが重要です。最終的にはメンタルが勝敗を分けます。
ソリア、L5、VO2maxのやり方
- 心拍数ベースの場合は最大心拍数の90~95%程度、パワーメーターの場合は105~130%で走ります。
- おすすめは3分走って、3分休憩。を3~5セットです。近所の勾配がキツめの上り坂があるとやりやすいですね。平坦道ではスピードが出すぎて危ないのでおすすめしません。ローラーを持ってるならローラーもおすすめです。フラフラになるので。
- かなりキツイメニューになりますので事前にしっかり20分くらいはアップして終わったあとも10分位はクールダウンをしたほうが良いです。
- レース前の1ヶ月くらい前から週に2回ほど取り入れるとLSD~LTで仕上げた状態の天井を一時的に尖らせてくれます。
- 注意点としては一時的に調子のピークが上がりますがあまり持続性はないので重要なレースの前のここぞという時に取り入れると良いかと思います。
- 自分は界王拳とか超サイヤ人と呼んでます。
メニュー例(6月にメインレースがある場合)
- 12月:LSDを平日は1回2時間前後で3~5日、週末もLSDを1回3~8時間で1~2日
- 1月~3月:LSD~テンポ走の中間くらいを平日は1回2時間前後で3~5日、週末はテンポ走を1回3~5時間で1~2日
- 4月:SSTの30分x2セットを平日に2~3日、週末はテンポ走で1回3~5時間で1~2日
- 5月:ソリア、L5、VO2maxを平日に2日、週末はテンポ走とLTが混ざったようなライドを1回3~5時間で1~2日
- 6月:レース前の1~2週間前から少しトレーニングボリュームを減らしつつ回復させてレースに臨む。