ロードバイク乗りの大きな悩みの1つといえば「お尻の痛み」です。長時間乗っていると、どうしてもお尻が痛くなってしまうという人はかなり多いと思います。もちろん乗車姿勢や重心、ペダリングなど要因はさまざまですが、その中の1つに「サドルがあっていない」という可能性があります。
実は、サドルを交換することで、これらの悩みを解決することができ、快適なライディングを実現できます。ということでロードバイクの用途別のおすすめサドルとサドルの選び方のポイントも徹底解説します!
オーソドックス・初心者にもおすすめのサドル3選!
座面がフラットで極端な反りもないオーソドックスなタイプです。初心者の方も初めて変えるならまずはこのあたりのサドルから検討してみましょう。
FABRIC / Scoop Race Flat
オーソドックス・初心者向け
FABRIC(ファブリック)の「Scoop」シリーズはオーソドックスな形状のシリーズで「Race」はグレードの事で標準的なグレードです。「Flat」は座面がフラットで誰でも乗りやすい形状の事。お値段も実売価格は1万円未満なので初めてサドルを変える初心者の方にも向いています。
- レール: チタン
- 重量:238 g
- 幅: 142 mm
- 長さ: 282 mm
- 座面:フラット
- 反り:中央に反り
Fizik / ARIONE R3 kiumレール
オーソドックス・初心者向け
フラットで長細いALIONE(アリオネ)はサドル上で様々なポジションが取りやすいサドルで軽量ですがパッドも十分な量で快適性も高め。柔軟性が高くポジションを色々変えて走りたいライダーに向きです。
- レール:k:iumレール
- サイズ:300mm×130mm
- 重量:200g
- 座面:フラット
- 反り:なし
Prologo / ZEROⅡ TIROX
オーソドックス・初心者向け
プロロゴのZEROシリーズはサドル上面、前後がフラットな座面でポジション移動も容易なオールマイティなサドルです。ZERO II TIROXはZEROシリーズの中でもスタンダードなモデルです。また134mm幅と141mm幅のマルチサイズなので骨盤の幅に合わせて選択できます。
- サイズ(mm):278×134、278×141
- 重量:211g(134)、213g(141)
- 座面:フラット
- 反り:なし
ロングライドにおすすめのサドル5選!
快適性が高く設計されたロングライドに向いているサドルです。
Prologo / Scratch2 Ti-rox CPC Airing
快適性・ロングライド向け
プロロゴのScratchシリーズは座面の位置よって密度の違うパッドを配し、快適性とレーシング性能を両立させたモデルでロングライドにも向いています。F1のシートやグローブにも使われる滑り止め素材が座面に使われていてグリップ力はもちろん通気性、衝撃吸収性にも優れているサドルでプロも使用しています。
- サイズ:全長280mm 幅134mm
- 重量:229g
- レール素材:TiroX(ステンレス合金)
- CPC(滑り止め加工)
- 座面:ラウンド(丸い)
- 反り:若干の反り
FABRIC / LINE Shallow Elite
快適性・ロングライド向け
中央部分に溝を作ることによって負荷を軽減しています。適度なクッション性とフレキシブルなサドル構造で長時間のライディングにおすすめで、快適かつ機能性も備えています。ゆったりとしたカーブを描くような形状が負荷の軽減とパフォーマンス性を両立しています。
- サドル幅/重量:
143mm/159g、155mm/161g - レール素材:カーボン
- 座面:ラウンド(丸い)
- 反り:若干の反り
FABRIC / Cell Elite Radius
快適性・ロングライド向け
「Cell」シリーズはアップライトなポジションでサドルに体重が直接かかりやすい方におすすめのサドルです。高性能なランシューズのクッション技術を応用してサドルへの荷重を均等に分散して心地よい乗り心地を実現。中級者以上でもゆるポタサイクリングなどでサドルに体重が乗りやすい場合にもオススメですね。
- レール: Cro-mo
- 重量: 355 g
- 幅: 155 mm
- 長さ: 282 mm
- 座面:ラウンド(丸い)
- 反り:中央が若干の反り
Fizik / VERSUS EVO ALIANTE R3 kiumレール
快適性・ロングライド向け
「VERSUS EVO」シリーズは中央に溝があり尿道や股間の圧迫を和らげてくれるシリーズで素材も軽く衝撃吸収性に優れるサドルです。ALIANTE(アリアンテ)モデルは柔軟性が低く骨盤を倒すペダリングに向いているサドルで一定ポジションで坦々と長距離をライドしたい方などにおすすめだと思います。
- レール:K:ium合金
- サイズ:279mmx152mm
- 重量:235g
SELLE ITALIA / SLR SuperFlow
快適性・ロングライド向け
セライタリアの「中央の大きな開口部で完全無欠の快適性」という謳い文句の快適性を追求しライディング時のサドルにかかる力を徹底的に分析したサドルで快適にロングライドをしたい方におすすめのサドルです。また重量も軽いのでヒルクライムやレースにも向いていますね。
- 重量:185g
- レール:チタニウム
- サイズ:131×275 mm
レース向きのおすすめサドル(軽量・カーボン)4選!
レールや座面にカーボン素材を用いて軽量に作られているレース向きのサドルです。
SELLE ITALIA / SLR C59
レース向き
イタリアの代表メーカーセライタリアの重量63gの超超軽量サドルです!座面からレールまで全てをフルカーボンにして中央に大きな開口を設けて極限まで軽量化されています。ヒルクライムレースなどで軽量化を突き詰めるには最適なサドルでしょう。しかも大きな開口部があるため局部の圧迫も軽減できます。
- レール:ハイテックカーボン
- サイズ:128×265mm
- 重量:63g
Fizik / ANTARES 00 カーボンレール
レース向き
フィジークの最高峰ハイエンドグレードの「00」グレードで、機能性、軽さ、快適性のすべてを兼ね備えたサドルです。ANTARES(アンタレス)シリーズは座面がフラットでワイドなのでオールラウンドに使えるサドルです。
- レール:メビウスカーボン 7×9mm
- 重量:140g
Prologo / NAGO EVO CPC AIRING -NACK-
レース向き
プロロゴのカーボンレール(NACK)の超軽量モデルです。「NAGO」シリーズは座面がセミラウンド形状となっておりペダリング効率が上がるそうです。またサドルの中央部から先端にかけて細くなっているのでレースなどでハイケイデンス時に太ももが擦れるのを軽減してくれます。
- サイズ(mm):278×134
- 重量:199g
- レール:カーボン
- 形状:セミラウンド
FABRIC / ALM Ultimate Shallow
レース向き
ファブリックの「ALM Ultimate」シリーズはファブリックの中でも最高峰のハイエンドモデルでフルカーボンの超軽量サドルです。「リーフスプリングレール構造」という構造でサドル全体がサスペンションのようにしなり、フルカーボンの超軽量サドルなのに非常に快適性が高いサドルです!
- 全長:282mm
- 全幅:142mm
- レール:カーボン (リーフスプリング構造)
- 重量:140g
- 形状:SHALLOW(ゆるやかな湾曲)
ショートノーズ・穴あきのおすすめサドル3選!
前乗りや深い前傾姿勢を取る方、女性の方など、局部の圧迫の軽減がしやすいがショートノーズ・穴あきのおすすめサドルです。
Prologo / Dimensionシリーズ
ショートノーズ・穴あき
「Dimension」はプロロゴのショートノーズモデルです。レールの素材や表面加工などで色々なラインナップがあります。お値段がお手軽な「Dimension Tirox」、レールがカーボンで軽量モデルの「Dimension Nack」あたりがおすすめです。またサドル幅も143mmと広めなので骨盤の幅が広い女性にも向いています。
- サイズ(長x幅):
245mm × 143mm - 重量:
179g(Tirox)
149g(Nack) - レール:
Tirox(ステンレス)
Nack(カーボン)
T4.0(クロム合金)
Bontrager / Aeolus Pro Bike Saddle
ショートノーズ・穴あき
これは自分も使っているサドルで「フルカットアウト」というサドルの前端から後端までが大きく左右に分かれていて前傾姿勢時の圧迫がかなり軽減されるような作りになっています。座面のクッションが少なすぎず多すぎずで適度な柔らかさなので長距離ライドもしやすいです。またノーズの先端が広めに作られているので前乗りもしやすいです。
- サドル(長x幅)/重量:
250mm x 145mm/170g
250mm x 155mm/173g - レール:カーボン
- 横座面:フラット
- 反り:若干の反り
Specialized / S-WORKS POWER CARBON SADDLE
ショートノーズ・穴あき
人気のS-Worksパワーサドルです。ショートノーズの中でも240mmとかなり短いサイズで「深い前傾姿勢」がとても取りやすいサドルだと思います。特にヒルクライムの時などにしっかりとした前乗りでペダリングがしやすくパワーも出やすいという評価が多いですね。
- サドル(長x幅)/重量:
240mm x 143mm/159g
240mm x 155mm/161g - レール素材:カーボン
- 横座面:フラット
- 反り:若干の反り
女性向けのおすすめサドル2選!
女性はサドル選びに悩む事が多いですがそんな女性向けに開発されたおすすめのサドルです。
Fizik / LUCE R1 カーボン for ウーマン
女性向け
フィジークのパフォーマンスを犠牲にしないよう女性向けに開発されたサドルです。女性特有の体重の分布を分析、幅広の骨盤幅に合わせた設計と局部ゾーンに穴あきを設けて快適性も高いサドルです。また太ももの摩擦を軽減するために先端に向かって細くなっていくデザインでよく考えられています!カーボンレールで軽量のためレースにも十分使えます。
- レール:カーボン
- サイズ:281mmx144mm
- 重量:175g
SELLE ITALIA DIVA Gel S.FLOW
女性向け
セライタリアの女性向けサドルでゲル入りの厚めのパッドで衝撃吸収性と快適性が高いサドルです。厚みがありながらサイドの見た目はすっきりしているのでロードバイクの外観を損ねないのもポイントです。サイズがS、Lと2種類展開されているので骨盤の幅やお尻の大きさに合わせて選べるのも嬉しいですね!
- レール:TI 316 Tube φ7mm
- [S]
サイズ:135×L270m
重量:275g - [L]
サイズ:152×270mm
重量:285g
徹底解説!サドルの選び方のポイント⑦
「サドル沼」と言われるほど悩む人が多いサドルですが選び方のポイントがあります。そのポイントを徹底解説します。この選び方も踏まえておすすめのサドルからぴったりのサドルを探してみてください!
サドルの選び方①サドルの幅で選ぶ
サドルはお尻を支える部分でもあり、接地面積によって、お尻にかかる負荷が変わってきます。サドルの横幅が広い場合、より広い面積でお尻を支えるので、負荷を軽減することができます。
そのため、体重の重い人やサドルに重心をかけて乗っている人は横幅の広いタイプがおすすめです。
サドルの選び方②サドルの反り(縦座面)で選ぶ
サドルの縦方向の形状においては、「直線」的なもの(フラットタイプ)と「下方向に反っている」ものがあります。
ハンドルを低くして、重心を分散しながら乗るタイプの人はフラットタイプが効果的ですが、サドルに体重をかけて乗る人は、反っているタイプの方が負荷が少ないです。
サドルの選び方③サドルの丸み(横座面)で選ぶ
サドルの横方向の形状にも「直線」的なもの(フラットタイプ)と「丸みがある」ものがあります。
フラットタイプの場合、座る部分を調整しやすいため、ロングライドに向いています。逆に丸みがあるものは、乗車姿勢を安定させることができます。
サドルがしっくりこないという人は、丸みのある形状のサドルがおすすめです。
サドルの選び方④サドルのクッションの厚みで選ぶ
サドルの硬さを左右するクッションですが、柔らかければ負荷が小さいというわけでもありません。適度な硬さがあることによって、ペダリングを安定させることもできます。
柔らかいサドルだと、ペダルを踏み込むたびに、お尻が沈み込むような状態になるため、ケイデンス(ペダルの回転数)を高めるとお尻が暴れてしまいます。それでは逆に痛みにつながってしまうため、お尻が痛いからといって、柔らかすぎるサドルを選ぶのはおすすめできません。
かといって、硬すぎると当然痛みが生じやすくなるので、サドルにかける体重の割合に応じて、クッションの厚みを決めるといいでしょう。
サドルの選び方⑤サドルの長さで選ぶ
サドルの縦方向の長さも重要です。長いタイプのサドルだと、前傾姿勢をとった際に股間への負荷が大きくなります。そのため、全長が短いタイプのサドルも人気を高めています。
サドルの選び方⑥サドルの素材で選ぶ
サドルやサドルレールの素材にも選択肢が用意されています。カーボン製のサドルであれば、当然軽量化につながります。ただ、値段は高い傾向にあります。
サドルレールのみカーボンの商品もありますし、座面も含めたフルカーボンのサドルも販売されています。
サドルの選び方⑦穴あき、ショートノーズ
特殊なタイプのサドルとしては「穴あき」「ショートノーズ」といった種類があります。
「穴あき」は、サドルの中央部に穴が空いている形状となっています。これによって、乗車時の股間部分への負荷を軽減することができます。
「ショートノーズ」は、サドルの全長が短いタイプです。短いことによって、前傾姿勢をとった際に、股間部分への負荷を小さくすることが可能となり、高出力のペダリングに対してサポートをしてくれます。最近登場したタイプのサドルでもあり、人気が高まっていますが、前後の長さが短い分、乗車位置の調整範囲は小さくなります。
サドル選びに加えて、ポジション調整も重要!
自分にあったサドルを購入すれば、全てが一気に解決するというわけではありません。購入したサドルを取り付けて、高さや位置などを調整しつつ、自分にあったポジションに調整する必要があります。
これは、ハンドルの高さやサドルとの距離なども含め、ロードバイク全体のバランスを考えながらの調整が必要となります。これらを経て、初めて問題の解決に至ることができます。
できれば、ロードバイクを購入したお店のスタッフに依頼をして、ポジション調整をやってもらうといいでしょう。