ロードバイクに乗り始めて1年。割と体力が付いてきて長距離も楽に走れるようになってきたしそろそろレースにも出てみたい!だけどレースがいっぱいあってどのレースから出たらいいのかな~??
ロードバイクに乗り始めて一年も経てば、自分がどれだけ走れるようになったか、気になってくる人も多いと思います。 一日で走れる距離が伸びた事に喜びを覚えるロングライド派の方もいれば、平均速度の向上に進歩を感じる方もいるでしょう。 そんな自分の成長を実感したいロード初心者にとって、次なる目標としてレースに出場してみたいと思う人も多いでしょうね。
とはいえいざ出場するとなるといろいろ心配になることが多いのもまた事実。 「今の自分がレースに出て良いのだろうか?」 「レースに出場してついていけるのだろうか?」 今回はそんな不安を抱える初心者ライダーでも安心して出場できるレースをご紹介したいと思います。
初心者に優しいレースの条件って?
ロードバイク初心者が安心してレースに参加するには以下のような条件のレースを選ぶのがおすすめです。
- 初心者向け講習がある(集団での走り方や安全走行の方法など)
- コースが厳しすぎない
- ビギナー向けカテゴリーがある
上記のように初心者向けのサポートをしてくれるレースを選びましょう。
ロードバイク初心者におすすめのレース【ヒルクライム編】
ヒルクライムはひたすら山道や坂道を登り、所要時間を競うレースです。
日本は国土の大部分が山や丘陵地帯であるため、ロードバイクで長距離を移動するなら山道は避けて通れません。
山道を登っている間は非常に苦しいですが、登り切った時の達成感と爽快感に病みつきになる人が多く、日本では非常に人気が高いレースです。
また、速度も出にくく比較的安全なので初心者向きのレースです。
①Mt.富士ヒルクライム
開催時期:6月初旬
開催場所:富士山
距離:24km
標高差:1,270m
勾配:平均5.2%、最大7.8%
参加者数1万人を超える、日本最大のヒルクライムレースです。 富士山の五合目を目指して24キロをひたすら登ります。
一定のタイム以内でゴールした場合は、そのタイムに応じてフィニッシャーリングが授与されます。より高いグレードのリングを手にすることが、ホビーヒルクライマーのステイタスにもなっています。
というと初心者には敷居が高いのではないかと思われますが、勾配は比較的緩めで制限時間にもだいぶ余裕があるため、実は99%という高い完走率を誇ります。 まずは完走、そして脱初心者の証である1時間半切り(ブロンズリング)を目指しましょう。
富士ヒルクライムに関しては自分もかなり熱を入れている大会で富士ヒルクライムに関する記事を書いていますので参考にしてみてください。
富士ヒルでシルバーを取るためのトレーニング法と走るコツ「富士の国やまなし Mt.富士ヒルクライム」ブロンズ・シルバー・ゴールドのペース配分表 まとめ
②嬬恋(つまごい)キャベツヒルクライム
開催時期:9月初旬
開催場所:群馬県吾妻郡嬬恋村
距離:約19.8Km
標高差:約1,012m
勾配:平均約5.1%
群馬県嬬恋村を舞台に行われるヒルクライムレース。
富士ヒルクライムより挑戦しやすいコースになっているので、こちらも初めてのヒルクライムレースにうってつけです。
全体的に勾配は緩めで道幅も広いので走りやすいコースです。
レースカテゴリーは走力別ではなく年齢別に分けられています。
例年NIPPOヴィー二ファンティーニの選手がゲストとして来ており、ヨーロッパで活躍するプロと一緒に走れる楽しみもあります(ただしNIPPOは2019年末で解散になるそうなので今後はわかりません)。
③榛名山ヒルクライムin高崎
開催時期:5月中旬
開催場所:榛名山(群馬県高崎市)
距離:16.1㎞
標高差:907m
勾配:平均約6.0%
「ハルヒル」の愛称で有名なヒルクライムレースです。
ヒルクライムビギナーの方には初心者コースもありますが、こちらは距離6.7㎞、平均勾配4.6%、最大勾配6.5%、標高差は299mと易しめです。
しかも対象年齢が小学校3年生からということですので自信の無い方でも始めやすいのではないでしょうか。
個人のレベルに応じた走力順スタートなので、初めての方でも安心して参加できます。エントリー時に申告タイムを確認されるので、あらかじめ自分がどの位のペースで走れるかを把握しておいた方が良いと思います。
④日光白根ヒルクライム
開催時期:4月中旬
開催場所:丸沼高原(群馬県利根郡)
距離:11.4km
標高差:472m
勾配:平均4.1%
白根山を望む高原を舞台に行われるヒルクライムレース。
標高差が少なく斜度も厳しくないので、こちらも初心者に優しい大会です。
レースに参加された方のブログを拝見すると、道路にはまだ雪の壁がそびえ立つ光景が目立ちますので、春先とはいえけっこう冷え込むようです。
登りで汗をかいても下りは体温を奪いますので、寒さ対策は万全に。
⑤温泉ライダーin加賀温泉郷/立杉ヒルクライム
開催時期:6月上旬
開催場所:山中温泉(石川県加賀市)
距離:31.1㎞(計測区間9.6㎞)
標高差:367m
勾配:平均3.7%
自転車と温泉を楽しもうというコンセプトの大会。
参加者には温泉の入浴手形がもらえたり、会場で地元・加賀のグルメを振る舞われたりと至れり尽くせりです。
コースも比較的易しめなのでビギナーも楽しめるレース。
エンデューロも併せて開催されているので(初心者講習会あり)、ヒルクライムとのダブルエントリーも可能。
脚と体力に自信のある人は2日とも頑張ってみるのもいいかもしれません。
ロードバイク初心者におすすめのレース【エンデューロ編】
周回コースを一人または2人以上のチームで走り、適宜交代しながら時間内に何周できるかを競うレースです。同じ周回数ならタイムで順位が決まります。
基本は2時間~8時間という長丁場で、モータースポーツのサーキット場などを使って行われることが多いため、走る楽しみを思う存分堪能できます。
⑥もてぎエンデューロ
開催時期:4月下旬・11月下旬
開催場所:ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)
毎年春と秋の2回に渡って開催されるエンデューロレースです。
モータースポーツのメッカ、ツインリンクもてぎのコースを使って2・4・7時間の各カテゴリーで争われます。
レベルの高いライダーが多く参加することでも知られますが、初心者を対象にした2時間エンデューロビギナークラスもあります。
走る前にはプロのレクチャーを受け、レース未経験のライダーでも安心して走れるなど、レース初心者へのサポートが手厚いのが嬉しいです。
⑦日産スタジアム・サイクルパークフェスティバル
開催時期:11月下旬
開催場所:日産スタジアム(神奈川県横浜市)
日産スタジアムとその周辺の公園を中心に設定したコースを回るエンデューロ。 レースデビュークラスでは初心者向けのクリニックや事前講習会も行われており、走る際の心構えもしっかりと説明してくれているのは安心ですね。
ロードバイク初心者におすすめのレース【クリテリウム編】
クリテリウムは主に市街地の公道を封鎖した距離が短めの周回コースで行われます。何周回れるかの数を競うエンデューロと違い、決められた周回数で純粋に先着順を競うため、より本格的なレースに近くなってきます。実際、秋のジャパンカップやツール・ド・フランスさいたまクリテリウムなど国内外のトップ選手が参加するレースで行われることが多くなっています。
⑧春のしもふさクリテ
開催時期:5月初旬(ゴールデンウィーク中)
開催場所:下総運動公園(千葉県成田市)
小さなお子さんから経験者まで幅広く楽しめるアットホームな大会。
レース初参加や集団走行に不安のある人は「フレッシュマン」から始めましょう。
1.5キロを5周と短いながらも、カーブが多いコースで走りごたえもあります。 事前にプロ選手による安全講習会もありますので、レース経験の浅い人や自信のない人は必ず参加してください。
⑨大磯クリテリウム
開催時期:11月〜翌4月(6回に渡って開催)
開催場所:神奈川県中郡大磯町
ホビーレーサーの間ではもはや定番のクリテリウムですが、ピュアビギナークラスという全くの初心者向けレースも用意されています。 試走前には集団走行の練習会もあるので安心です。またコースレイアウトも単純なので非常に走りやすいと言えるでしょう。
ロードバイク初心者におすすめのレース【周回レース編】
⑩シマノ鈴鹿ロード
開催時期:8月末
開催場所:鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)
モータースポーツファンのみならずその名の高い国際サーキット場、鈴鹿。
今年で36回を数える歴史の長い周回レースです。
「鈴鹿ロード?あれってハイレベルなガチの人達向けのレースでしょ?」という方もいるでしょうね。 確かにこのレースは全日本選手権の申込資格獲得レースということもあり、国内トップクラスのライダーがこぞって参加することでも知られます。
ですがそれとは別にこのレースでは未経験のサイクリストを対象にした講習会付の体験レースが実施されています。
あくまで安全走行などの基本を学ぶことが目的のため、タイム計測は行いません。
基礎的な走り方を身につけたら次の2周の部に移りましょう。
また事前申し込みが必要ですが、「ウィーラースクール」ではプロ選手を講師に安全走行や集団走行の基本を学ぶことができます。
⑪袖ヶ浦チャレンジ
開催時期:3月末
開催場所:袖ケ浦フォレスト・レースウェイ(千葉県袖ケ浦市)
サーキット場を使った特設コースで行われるレースです。
ソロ・チームのいずれかで参加しますが、243km・200km・160km・100kmとそれぞれ決められた距離ごとに完走時間を争うので、エンデューロとは違いむしろロードレースに近いと言えます。
もちろんチーム参加の場合は途中交代もアリです。
名前の通り非常にチャレンジャースピリットを掻き立てられますが、最難関の「インポッシブルチャレンジ」は243kmを6時間以内の制限時間で走らなければならないとんでもなくハードな設定です。
なのでまずは100kmからの挑戦が正解です。
それでも6時間以内で走ろうとすれば平均時速17kmが必要ですので、スピードと体力はそれなりにある方におすすめです。
こちらも初心者講習会がしっかりありますので、レース経験の少ない方はちゃんと受けましょう。
ロードバイク初心者におすすめのレース【ロードレース編】
⑫ツール・ド・北海道
開催時期:9月初旬
開催場所:北海道各地域(毎年異なる)
日本では数少ないラインレースが行われる貴重な大会です。
国内外の強豪選手が参加する国際レースの他に、レベルに応じた市民レースも開催されます。
必ずしも初心者向けとは言えませんが、1時間で25kmを走れる力があり、集団走行やレースの走り方も身についてきたなら参加してみてもいいかもしれません。
ロードレースはどんな種類があるの?
一口にロードレースと言っても実はいろいろあります。
通常ロードレースというと一般道やサーキット場を使い、規定の区間・距離でタイムや着順を競います。
日本では公道の封鎖や大規模な交通規制の困難さから、ツール・ド・フランスのような町から町へ向かうレース(いわゆるラインレース)が行なわれることは稀です。 そのためほとんどが交通量の少ない、あるいは全く無い区域を使って同じルートを何周も回る周回コースや、山間部を使ったコースで行なわれます。
初心者にはヒルクライムが最適♪
今までレースというものには一度も出たことがない、という方にまずおすすめしたいレースがヒルクライムです。
というのも、坂や山道の登りではあまりスピードが出ないため、落車や転倒してしまってもそこまで大きなケガになることは少ないです(頭を打ってしまったら別ですが)。
集団で固まって走ることも少ないので、集団走行の方法が身についていなくてもあまり問題はありません。 とはいっても他人に迷惑をかけるような走りはダメですよ!
また、タイムが縮まった、前回足をついてしまった所が今回は登りきれたなど、平坦コースに比べて成長の跡が分かりやすく達成感が得られやすいのもモチベーション向上につながります。
自分はどのレースを走りたいかを考えよう
レースに出てどういう形で自分の成長を実感するのでしょう?
昨日より今日、今日より明日の自分のタイムが短縮された時ですか?
それとも自分の横を走っている他の選手に競り勝った時でしょうか?
もし前者ならヒルクライムやタイムトライアルなどのタイムや時間制限を追及するレースがおすすめです。他人とも競えますが自分との戦いとしても充分楽しめます。後者の場合は、エンデューロやクリテリウム、周回レースなどが他人と競える楽しさが味わえるのでおすすめです。
速く走れなければいけないの?
高速での落車や接触が起こりやすく、集団走行のスキルが求められるエンデューロやクリテリウムは必然的に初心者には敷居が高くなります。
ゴール前の混戦でぎゅうぎゅうに密集していても、皆が同じスピードを保って走れる実力があれば車間距離も変わらないので実はかえって安全です。
ですが明らかにスピードの遅い初心者が集団内にいるとバランスが崩れたり、予期せぬ動きをしたりして集団落車を引き起こしやすくなります。
集団に入らないのなら話は別ですが、それでもやはり同じコースで走るからには他の多くの参加者についていける程度のスピードを維持できるようにしたほうが無難です。
走り方を学ぶことは大事です
上記の理由からも、集団走行のノウハウは本格的にレースを走る上では必須です。趣味でロードバイクに乗っている方は最初は一人、または少ない仲間と一緒に走ることがほとんどだと思われます。
仲間や友達がよほど経験豊富なライダーでもない限り集団での走り方を学ぶ機会は多くありません。
もし今後本格的にレースに参加したいのであれば、レース志向のチームに入って練習を重ねましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は初心者向けということでご紹介しましたが、ロード乗りなら誰でも知っているような定番レースが意外と多いですね。
その背景には近年ロードバイクの人気の高まりと共にビギナーの方々の参加が増えている事情があります。 当然ながら同時に走る人数が増えれば増えるほど、落車や接触などの危険性は高くなります。
走り方のルールを知らない初心者なら尚更です。 大会を盛り上げ、より大勢の参加者に楽しんでもらうためには十分な安全対策が欠かせません。
そのため大規模なレースほど主催者側もレース前の講習会やレクチャーに力を入れるようになっています。
レースカテゴリーも細分化され、初心者に特化した部門を設けるレースも増えている、というわけです。
なのでレースの走り方や集団走行に自信がない!という初心者の方こそ、こうした大きなイベントでしっかり講習を受け、楽しみながら場数を踏んでいきましょう。
ここ数年で自転車を使った町おこしがとても盛んになってきました。 ここに挙げたレース以外にも、日本全国で大小たくさんのレースイベントが開かれるようになってきています。
ビギナーを卒業したら、これはと思うレースを探してバンバン参加してみるのも面白いのではないでしょうか。